Days on Campus

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ネタ切れにつき、Stataにも疫学・生物統計学にも関係ないテーマです.

管理者は、2017年7月から約2年アメリカのフィラデルフィアにあるPennsylvania大学に留学していました.

気がついたら(2020年7月現在)留学に旅たってからちょうど3年が経ちました.一番初めにフィラデルフィアの空港に着いた日を昨日のことのように覚えています.家族を日本に残してきた関係で、最初に住処と決めたのは、「フィラデルフィア日本人教会」というところでした.(キリスト教徒という訳ではなかったですが、そういった人も受け入れてくれています.)

シャワー、キッチンは共用でしたが、1人で暮らすには十分でした.自分が暮らしていた頃は洗濯機はなかったので、近所のコインランドリーにせっせと通っていました.

空港に着くや、教会の牧師さんのメアリーさんが迎えに来てくれていました.彼女は日本での滞在歴が長かったおかげで日本語がとても堪能で、おまけにこんなお弁当まで準備してくれていました.

6月末に到着したのですが、街中が独立記念日(7月4日)に向けて盛り上がっていました.

そして到着して翌々日、初のPennsylvania大学入りです.Pennsylvania大学、略してペン大、あるいはUPENNと言いますが、アメリカ屈指の名門校で、アイビーリーグの一角です.自分が所属していたペレルマン校(医学部の名前)だけでなく、CHOPと呼ばれる小児病院、ビジネススクールであるウォートン校が有名です.

風格と威厳を感じさせるキャンパスの建物群

一般の方にはあまりなじみがないと思いますが、腎臓病疫学研究で世界的に有名なコホートであるCRIC研究の本部が置かれています.ここに留学していました.

トロリーで帰宅するときに最寄り駅まで向かう並木道

留学とはいえ、学費を払って学位を取得することを目指したものではなく、CKD-JACという日本の慢性腎臓病コホート研究との共同研究を進めることを目的として行くことができました.(もちろんその間は無給です)

時々疫学や統計学の授業を取らせてもらいましたが、どれも実践的な内容で非常に質が高かったです.

キャンパス中にリスがいます.最初は物珍しかったですが、最後は特に何の感情もわきませんでした.

主に実施していたのは日米比較研究という共同テーマを実践する上で必要なデータの整理や統計解析でした.データ収集まっただ中であったCKD-JACIIのデータセンター業務(外れ値の検討やクエリ発信の準備)を実施しながら共同研究を行うといった感じでしたので、日本側のデータ論文にするまでのプロセスもCRIC研究の一員として論文化をする、という2つのことを一通り経験できました.

臨床研究を行うにはとにかく多くの人と手がかかります.今時はもう統計だけしっていればいい、みたいな事を言う人はいなくなっていると思いますが、研究者自らデータ集め、事務局、解析、そして執筆に至るまでをこなしている人が日本には多いと思います.CRIC研究は観察研究のコホートですが、多額の予算がついて様々な職種の人が関わります.そして、プロフェッショナルを尊重する分化から、医者だけが偉そうにしている、ということはありません.

また、偉い先生であってもフラットに議論を交わすことができる、という点では非常によい環境でした.ただし語学の面ではかなりのビハインドでしたので、最初の1年くらいはかなりキツかったです.

こんなに広い場所を与えて貰いました.日本だったら教授室より広いかもしれません.

また、留学中は極貧生活を送っていましたが、それはそれで貴重な経験でした.日本にいれば美味しい食べ物が非常に安く手に入りますし、安全性も高いです.わざわざお金と時間と労力をかけて、成果がでるかも定かではない上に日本での臨床キャリアを一時中断してまで留学すべきなのか、という疑問を呈する人もいるでしょう.

しかしコンフォートゾーンを抜け出して新たな環境で自分自身を試すことや、分野、人種、出身地域を越えて多くの人と交流する機会が得られるという点で、留学には非常に大きな価値があると思っています.

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