このブログでは、統計解析ソフトStataのプログラミングのTipsや便利コマンドを紹介しています.
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さて、今回は、たくさんのバイオマーカーを網羅的に測定するような場面でデータをうまく加工するのにきっと役立つ方法です.
4-Methyl-2-oxopentanoate |
4-Oxohexanoate |
4-Acetylbutyrate |
Heptanoate |
N-Acetyl-beta-alanine |
Glutarate |
3-Ureidopropionate |
2-Hydroxy-4-methylpentanoate |
最近メタボローム解析にまで手を広げてしまったのですが、このようにたくさんの物質を網羅的に扱う場面が頻繁に現れるようになりました.
もう大抵のデータ加工には苦労しないのですが、代謝物の名前って数字で始まってたり、ハイフンが入っていたりとかなり手間取ります.
そのままデータをインポートしてもうまく変数名が付かない(数字で始まる変数名は数字部分が削られる)のです.
また、変数名をvar1, var2, var3,…などと名付けても、結果がどの物質のものなのかわからなくなってしまいます.
そこで、次のような変数とラベルの対応表を先に作成しておくことにしました.これをうまくラベルに反映させる方法をご紹介します.
variable | label |
anion1 | Glyoxylate |
anion2 | Propionate |
anion3 | Glycolate |
anion4 | Crotonate |
anion5 | Pyruvate |
anion6 | Butyrate |
anion7 | Lactate |
まず、エクセルの方で次のような仕込みをしておきます.
- 変数名はヘッダー+通し番号とする
- 変数名とラベル(物質名)の対応表を作っておく
そして、ラベルを付ける方法はいろいろあると思うのですが、Do fileを作ってしまう、というのがトリックになります.
変数名とラベルだけが入ったテーブルをインポートします.
import excel "label_list.xlsx", sheet("label") firstrow allstring clear
次に、新たにカラのdo-fileを作るために、tempname fhとして新しい一時変数を作成します.これ自体にはあまり意味がなく、ただただ新しくdo-fileを開くのに必要みたいです.
list variable label tempname fh local N = _N
ここで全部で何個の変数があるかを表すために(すなわち作業の終点を表します)ローカルマクロに格納しておきます.
// create a new do-file file open `fh' using my_labels.do , write replace
新しいdo-fileを創ったらそこに次々にラベルの定義方法のコマンドを書き込んでいきます.
forvalues i = 1/`N' { file write `fh' "label variable `= variable[`i']' " file write `fh' `""`= label[`i']'""' _newline } file close `fh'
そして最後にこのコマンドを実行するとそこにある変数名にすべてラベルが付与される、という仕掛けです.
// Command through the new dofile do my_labels.do
先日500個余りの代謝物にすべてラベルを振らねばならないとなったときにこれを使いましたが、ほんの一瞬でした.
個々の代謝物は、anion1, anion2, cation1, cation2, みたいな名づけをしているためにループを作りやすくなっていました.それにこの方法を組み合わせれば無敵ですね.
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